リベルタスの寓話/島田荘司

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島田荘司さんの「リベルタスの寓話」を読みました。今年の6月には、御手洗シリーズの1つが映画化され、関連本として平積みされているのを見た人もいると思います。そして読んでみた人もいると思います。実は僕もその口です。ポップに惹かれ、シリーズ第1作「占星術殺人事件」を購入したのが4月の頭。それから少しずつ、御手洗シリーズを読んできました。と、言っても読んだのは、「占星術殺人事件」「斜め屋敷の犯罪」「異邦の騎士」「暗闇坂の人喰い木」と代表的な所だけですが…。

そして今回読んだのは「リベルタスの寓話」。初めに表紙、そして裏表紙のあらすじを見て、購入を決めました。比較的新しい作品なので、初期作品しか読んでいない自分が話について行けるか心配でしたが、杞憂に終わりました。読み出したら止まらず、とても面白かったです。

 

 

ボスニア・ヘルツェゴヴィナで、酸鼻を極める切り裂き事件が起きた。心臓以外のすべての臓器が取り出され、電球や飯盒の蓋などが詰め込まれていたのだ。殺害の容疑者にはしかし、絶対のアリバイがあった。RPG世界の闇とこの事件が交差する謎に、天才・御手洗が挑む。中編「クロアチア人の手」も掲載。 

 

上記があらすじになります。とても面白そうですよね。これを読んだ瞬間に登場人物と同じ気持ちになって謎解きをしようとしている自分がいました。なぜ心臓以外の臓器が取り出されたのか…。そうする理由はなんだ…。そしてRPG世界の闇ってなんだ⁉︎

この作品のテーマは民族問題MOGです。

民族問題というのは、クロアチア紛争、ボスニア紛争が関係しています。1992年、ボスニアヘルツェゴビナが独立を宣言したことにより、反対したセルビア人と推進したボシュニャク人、クロアチア人が対立。それが起因となり起こった紛争での、ジェノサイドやレイプなどが作品のテーマの1つであり、鍵でもあります。

MOGとはマルチオンラインゲームのことらしいです。実は全く詳しくありません。僕は最近スマホでシャドーバースというゲームをやってますが、あれはなんて言うのでしょうか。マルチではないと思いますが、よくわかりません。

とにかく、この作品を読む上ではMOGの知識が少しだけ必要となります。なぜかと言うと、民族問題については作品内で説明があり、大雑把なことは把握できますが、MOGについての説明はあまりありません。予備知識ナシでも読めますが、知っていると、より楽しめると思います。僕自身途中で調べてました。そんな世界もあるだなあと思いました。

 

感想

これいうブログってネタバレ書いていいんでしょうかね。書いてる人も多いですが、書かないのもアリかなぁと思ったりします。最終的には読んでもらいたいのでいらないような気がします。

僕がこの作品を読んで良かったと思うことは、クロアチア紛争などの民族問題、MOGの世界の一部を知れたことです。全く知らない二つの世界だったので、とても新鮮な気持ちで読みました。そして何と言っても、それを大好きなミステリーに絡めてくるのがすごいと思いました。2つのことが交差した結果、心臓以外の臓器が取り出された人間が完成したと思うとゾクゾクしました。また御手洗の出方も、かっこよかったです。いつの間にか(僕が未読なだけですが)スウェーデンの大学にいる御手洗が、遠くのボスニアの怪事件を電話越しに解決します。現地にいる助手のハインリッヒが渡した情報のみで、謎を解く様子は、さすが名探偵と拍手したくなりました。読書中も後も楽しめる一冊でした。

全く触れてませんが、この本には「クロアチア人の手」という中編作品も入っています。これも面白かったです。この作品は民族問題が絡む、密室殺人事件となってます。

読み応えのある一冊でした。是非読んでください。

 

 

 

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